週末、ポトマック川のボートクルーズで、DC郊外にあるMount Vernon(マウントバーノン)に行ってきた。マウントバーノンは、アメリカ初代大統領のジョージワシントンの邸宅と広大なプランテーション農園があり、当時の生活を見学できる。あいにく天気が悪く、いまにも雨が降り出しそうなどんよりとした空で、最高気温は9度と非常に肌寒かったが、タイダルベイズン沿いの桜はほぼ満開ですばらしい眺めだった。クルーズは、海ではなく川なのでほとんどゆれもなく快適。途中、アレクサンドリアの美しい旧市街(写真)もボートから眺めることができた。
マウントバーノンの一番の見所はワシントンの邸宅(Mansion)だが、いま観光シーズンまっさかりなので見学は長蛇の列。今回は邸宅の中の見学はあきらめて、農園の散策に時間を使うことにした。ちなみに、受験の時に使った『でる単』に、英語のMansionはマンションではなく豪邸のこと、という注意があったが、実際そのとおりの豪邸だった。 説明によると、ワシントンはこのマウントバーノンで300人の奴隷を使用していたそうだ。ワシントンの手書きの果樹園の案内図も残っており、初夏にさくらんぼ、夏にモモ、秋にリンゴ、といったように、季節によってさまざまな果物を楽しめる工夫をしていた。また、土地を効率的に使えるように休耕地も計算され、大麦・小麦・とうもろこしの二毛作、三毛作が行われていた。また、ワシントンの奴隷の4分の1はSkilled Laborで、靴屋、仕立て屋、大工などのスキルを持っていたそうで、鍛冶場や靴作りの部屋も残っていてとても興味深かった。それ以外にも、当時の日常生活がうかがい知れるように台所や洗濯場が再現されていた。とくに洗濯場は、当時使ったタライ、鉄のアイロン、漂白剤のレモン、動物の脂(石鹸)などが残されており、いかに家事が重労働だったかが思い知らされた。洗濯機や乾燥機のある今の時代に生まれて本当によかったと思う。 夫は、当時ハムやソーセージ作りが行われたSmokehouse(燻製室)に心奪われていた。ワシントンは大勢の家族や奴隷を養い、さらに来客も多かったため、保存のできるハムやソーセージはとても大切だったらしい。また近くでとれるサケを保存するために、イギリスやスペインから塩を大量に輸入していたそうで、Salt Houseと呼ばれる塩の貯蔵室もあった。 邸宅を囲む農園では、牛、馬、羊といった家畜ものんびりと草をはんでいた。これらの家畜は農作業の労働力として必要なだけではなく、当然貴重な食料でもあった。また、これらの糞は肥料として利用されたそうだ。 とりわけ、羊がたくさんいて、ベーベー鳴いていて面白かった。中には、柵から飛び出して迷子になった羊もいて、こちらに近づいてきたのでびっくりした。羊はメーメー鳴くのかと思っていたが、実際この羊はベヘーベヘーと、お世辞にもかわいいとは言えない鳴き声だった。 天気は悪かったが、18世紀当時のアメリカの暮らしを垣間見ることができて楽しかった。DCからはほんの90分なのに、まるでタイムスリップしたかのよう。川を眺めながら持参したおにぎりを食べて、久しぶりに自然を満喫することができた。
by dc20036
| 2007-04-02 21:55
| 旅行
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